----家事をしていて火事になっちゃった!?----

どもアルフです。今回の架空法律相談では、火事に関する相談を架空したいと思います。
というのも、先日バイト中に消防車数台が通って、あー火事だーと思っていてひらめきました。

以前、所属する法律相談部で教授が説明されている時に知った法律。
へぇそうなんだぁと思い聞いていました。さてさてどういうお話でしょうか。ではどうぞー。
◆架空相談内容

今回の相談は、田辺広幸君(21歳)
三重県出身だそうで、いまいち垢抜けない感じがします。

相談内容はというと、4日前大学の近くに借りているワンルームマンションを燃やしてしまったということなんです。
というのも、この田辺君、タバコが吸えないのに、渋い男に見えるからという理由だけでタバコを好奇心から吸ってしまった男の子。
タバコの吸い方もイマイチわからずスパスパ吸っていたそうです。
銘柄はフロンティア。チョコレートの味がすると友人に言われて、かっこつけながら友達の前で初タバコを吸っていました。

家に帰った田辺君洗濯物や掃除をしていて、
ふっと気が付くとカーペットが燃えています。カーテンも燃えています。さっき吸ったタバコの火種がどこかに落ちてしまったようです。
びっくりして、途方に暮れアゼンとしていた田辺君。

突然怖くなって逃げ出しました。幸い体に火傷や怪我はなく、よかったのですが
借りていたアパートの一室は全焼、隣の部屋は半焼。

消防車は隣の人が呼んでくれたようです。

しかし昨日、隣の部屋の人からうちの家燃やしてくれてどうすしてくれんだよ!
お気に入りの服も、プレステも浜崎のCDも燃えちゃったじゃないか!
損害を賠償しろ!!といわれています。

この田辺君。三重の田舎から出てきたため、銀行の通帳を持っていません。
郵貯はあるようですが、郵貯カードは持っていません。
だから貯金はタンス預金。虎の子のタンス貯金の240万も火事と一緒に燃えています。

親は昨年リストラにあい、頼れそうもりません。パニックになりながら、もうどうしていいかわかりませんと相談に訪れました。



◇架空法律相談に対するアルフの見解

まず、論点の整理から行いたいと思います。

今回は火事による隣の人に対して及ぼした損害に対する賠償が主な論点になるかと思います。
その他自分が借りていた部屋の賠償。

では順を追って見ていきましょう。

まず他人に損害を及ぼす行為は、民法709条の不法行為責任という責任にあたります。
民法709条は
故意又は過失に因りて他人の権利を侵害したる者は之に因りて生じたる損害を賠償する責任に任す。
(故意または過失によりて他人の権利を侵害したる者はこれによって生じた損害を賠償する責任に任ずる。):アルフ注釈

といことで基本的に田辺君は隣の部屋の人に損害を賠償しなければなりません。

しかし火事とは人の財産を燃やし尽くしてしまう大変恐ろしいもの。
実際田辺君は火事によって貯金を全部なくしています。
昔からある言葉で、無い袖は振れない。というのがありますが、金の無い人間からは、金はとれません。

このままでは田辺君はこの損害賠償のために、借金をして損害を賠償しなければなりません。
そういった人を助けるために、この不法行為責任の特別法として、失火の責任に関する法律という、特別な法律が用意されています。

この法律は709条の規定は失火の場合にはこれを適用せず。但し失火者に重大なる過失あるときはこれの限りにあらずという内容なのですが

つまりタバコの不始末といった軽度の過失によって、火事になり、他人に損害を及ぼした場合には責任を負わないということになり
田辺君は隣の人に損害を賠償しなくてもよいということになります。不法行為は責任に問われないということですね。

田辺君よかったですねw

さて重過失とは、焼身自殺しようとした。とか家の中で花火をしていた。とかガス漏れにうすうす感じながらタバコを吸おうとした
などなど、明らかに絶対的にその人悪いんじゃないの?というような事柄を重過失といいます。

さて、しかしこの部屋を貸している大家さんから見れば、普通に部屋を貸していたのに、借りてる奴が
急に部屋燃やしちゃいました。すいませんでした。でも失火責任に関する法律によって守られているので、さようなら。
という風に引越しされたとしたら、貴方が大家さんならどう思いますか?ブチギレですよね。

法律による訴えは不法行為に限られていません。
その権利がある限り、あらゆる方向からあらゆる権利の主張ができるわけでして、
今回のような場合には、賃貸借契約という物の貸し借りにおいて
建物が滅失してしまった場合、その建物を元に戻して返すという原状回復義務が田辺君には発生します。
架空法律相談ファイル1でも、敷金返還における原状回復義務のお話をしましたよね。

他にも仕事の物を預かっていたのを燃やしてしまった場合、不法行為責任は問われませんが、
債務不履行は存在し得ることになります。

つまり、今回の相談は不法行為責任による損害賠償は責任に問われませんが
現状回復義務は問われることになります。

こういった現状回復義務発生をなくすために、不動産賃貸借契約(部屋を借りる)時には、保険に入らされるようになっているはずです。
その保険の詳細はわかりませんが、おそらく火災保険で解決できるでしょう。
どのようなものでも、備えあれば憂い無しということですね!



                  
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