----賃貸マンションの落とし穴----
皆さんも学生時代や・社会人の時、人生で一度ぐらいは、不動産屋さんへ行って部屋を仲介してもらったことはあるでしょう。
一昔前、敷金返還請求が少し話題になったことがありました。
アルフは宅建主任者有資格者で、ほんのわずかな期間ですが不動産屋さんでバイトをしたこともあり、こういった問題は関心が高いのです。
そして今回のご相談者は・21歳大学生の鈴木さん。彼女居ない歴21年。気が弱くて、おっちょこちょい。そんな彼の相談を架空仕立てでお送りします。
◆架空相談内容
はじめまして。鈴木です。浪人して大学へ入学して今年で2年目。もうすぐ3回生です。
僕は和歌山の出身で、親父の仕事は漁師です。
今回悩んでるのは、大学に入学した時に下宿先を探したんですね。
大学の正門の前で勧誘していた「不動産貴方の思い通りに貸します屋」という不動産屋で部屋を紹介してもらいました。
ちょっと長い名前ですが。
それで更新期間2年の部屋を紹介してもらい、敷金20万円・礼金20万・家賃5万6千円の部屋を勧められ
あ・そのマンションの名前は「ワタシハウス」という部屋です。
その時不動産屋さんで払ったお金は家賃一ヶ月分の紹介料でした。
そして今年更新が近づいてきたので、もうちょっと大学に近い部屋を借りようと思い
大家さんから、「今年もこの部屋入るのかい?」と聞かれたので更新拒絶をしたんですね。
部屋の状態ですが僕は少しタバコを吸っていましたので、壁は少し黄色くなってました。
お風呂やおトイレもマメに掃除をしていたのですが、部屋の構造からかカビが生えてとれない状態でした。
最近ですが雨漏りのようなものがありました。
今回部屋を出るということで、敷金を返してくださいとを大家さんに言ったんですね。
そして2週間後に業者の人が来て色々見て周り、結局、余分に5万払ってくれと言われたんですね。
20万も敷金を入れておいて、そして余分に5万請求するなんておかしいと思いませんか?
そりゃあ、少しはタバコも吸いましたし気をつけていたとはいえカビも生えてますし、雨漏りもしているみたいですが。
現在まだ部屋は出ていませんが、
こんな理不尽なことがあっていいんでしょうか!?
◇架空法律相談に対するアルフの見解
まず、論点の整理から行いたいと思います。
現在問題となっている部分は、敷金の20万円。そしてタバコによる壁のクロスの張替え
カビの駆除と雨漏り。そして超過分の5万円。これがおそらく問題点とされます。
では順を追って見ていきましょう。
敷金とは「賃借人が借りた家屋を明け渡すまでに生じた賃貸人に対する一切債権の担保するもの」とされています。
賃借人とは、この場合鈴木さんで賃貸人とは大家さんです。一切の債権とはこの賃貸借契約(マンションを借りる契約)の中で発生した、
大家さんへの借り。というように解釈できます。
さて主な具体例としては、
1・家賃滞納を敷金からとる。(未払い賃料債権)
2・賃借人が不注意や故意に汚した床・たたみ・壁等と修理する費用として前もって受領しておく(損害賠償債権)
のような場合に敷金が発生すると考えれます。
最高裁の判例(判決)では敷金の返還を借主が主張する(返せ!という)には明け渡しが完了していることが必要とされています。
鈴木さんの場合、まず部屋を出てからでなくては請求できません。
この部屋の賃貸借契約では
貸主(賃貸人)、借主(賃借人)それぞれ義務が生じます。
賃貸人の義務
@・使用、収益させる義務(おおまかに言うと自由に使わるという意味)
A・修繕義務(借りている人が住むのに必要な部分を壊れたら直す)
B・費用償還義務(借りている人に正当な権利があるお金を払う)
となります。
賃借人の義務
T・賃料支払い義務(家賃を払う)
U・賃借権の無断譲渡・無断転貸をしない義務(無断で部屋を他の人に貸すこと)
V・目的物の保存に必要な行為を受け入れる義務(保存に必要とは、例えば壊れた屋根を直したりすること)
W・現状回復義務及び善管注意義務(借りた状態に戻す・部屋を大事に使う)
となります。
ではもう一度義務を見てください。賃貸人の義務Aの修繕義務があるので雨漏りは大家さんが修理する義務があります。
そしてこの義務は鈴木さんが早く直してくれよ!ということも、雨漏り直したからその費用を返してください。と両方言えます。
このもう直しちゃったので返してくださいというのが賃貸人の義務のB費用償還義務がこれにあたります。
だから部屋を出る際の雨漏りの修理代は何にせよ大家さんが払うことになります。
次はカビですが、これに賃借人の義務のW善管注意義務というのが入ります。
善管注意義務とは社会通念上要求されると考えられる程度の注意とされていて、
カビの清掃をしていたが、構造上カビが生えたなどは鈴木さんの責任ではなく、そんな部屋を作った大家さん・大工さんが悪いのです!
よってカビに関する除去費用は大家さんが負担します。
最後にタバコに対する壁のクロスの張替えです。
このクロスの張替えをWの現状回復義務と一応しています。
現状回復義務とは、借りたものを元の状態で返すという意味ではありますが、いい考えが先に思い浮かんだので、そちらから。
貴方はレンタカー屋へ行き車を借りました。さて、借主がすることは?
1・ガソリンが借りたときに満タンだったので、満タンで返す。
2・傷やヘコミが無いように返す。
大体こうですよね?レンタカーして走行距離分のエンジン具合を元に戻せなんて言われませんもんね。
もともとそういう事に充てるためにレンタル料を支払うのですからね。
では話を戻しましょう。クロスの張替えや、畳の張替え等は自然磨耗につき借主は負担する必要はありません。
賃借人の義務Wを見てください、かっこ書きでは借りた状態に戻す。とされていますが、この義務はレンタカーと発想は同じようなもので
壁に貼ったポスターをはがしたり、初めから付いていた冷蔵庫を移動させたのを元に戻す。とか付けたエアコンを取り外すといった
普通に考えて借りた状態に戻すということです。入居時と全く同じに返す意味ではありません。
つまり。限度を超えてタバコを吸うとか、失敗してかなり床を汚した。とかポスターはがすときに壁がめくれてしまった。
そんな状態を現状回復義務とします。
だから年月が経って汚れた壁や家具を置いていた部分の少しのへこみや、色あせなどは大家さん負担です。
よって敷金はほぼ全額鈴木さんの元に戻って来ると考えられます。
以上は一応鈴木さんへの答えとします。
業者のチェックはやはり高額となるようです。この更新拒絶時の修理費の見積もりなどは、
もちろん自分で業者を探してきてやってもいいそうです。
そのほうがおそらく安くなりますし、要は元に戻せばいいのです。
さてかなり前に掲示板で話をしていたのですが、
この相談内容にも書きましたが、不動産屋さんのマンションや貸し家の仲介手数料は、一応宅建業法という
不動産屋のための法律で半月分とされています。
ただし承諾があれば1月分もらえるとされています。
鈴木さんは不動産屋さんに5万6千円支払ったと書いてあるので、この不動産屋は1月分を報酬としてとっています。
大体、35条書面といわれる、宅地建物取引主任者という人が主任者証というものを提示して説明する重要事項説明というものの時に
報酬は一ヶ月分とする。っとさらっと説明し、同意書にサインさせるようです。もちろんすべての不動産屋がそうではありませんし
最近は半月分しかとりません、とされている不動産屋も増えています。
一応マンションを借りた時とかの仲介手数料は半分が基本です。知識として知っておくといいかもですねぇ。

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